大判例

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東京高等裁判所 昭和54年(う)2313号 判決

被告人 山崎悟

〔抄 録〕

そこで、調査するに、原審記録によると、遠脇光男の検察官に対する昭和五四年二月九日付供述調書なるものは、「私が山本洋一こと山崎悟に出版詐欺被害にかかったことがあります。その経過は別紙の顛末書及びその補充書のとおりです。その内容は骨子を記したもので事実です。山崎が何と言おうと、私はこの書面の内容にあることは裁判所でも証言できます。」と記載されて、遠脇光男及び検察官事務取扱副検事岡本弘の署名押印があり、かつ、遠脇が作成した「山本洋一による詐欺容疑その他に関する事件の顛末」及び「山崎(あるいは市川)悟に関する事件の補足説明書」と題する各書面を右調書の末尾に編綴して、契印し、これらを、右調書の内容としたものであることが認められ、一応、検察官面前録取書の形式を備えたものとなってはいるが、検察官が録取した部分には、右のとおり、本件被害の具体的内容の記載が全くなく、遠脇があらかじめ作成準備したと思われる右の顛末書等をすべて引用したものとなっているのであるから、これは、刑訴法三二一条一項二号にいう検察官の面前における供述を録取した書面であるとはいい難く、同条一項三号に該当する書面であると解すべきである。

(鬼塚 櫛淵 門馬)

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